最終更新日 2024年4月30日 by frozens
音楽が好きで音楽で食べていきたいから音楽大学に入学しました。
音楽大学に入学してみると、そんなふうに考えている人は一握りです。
みんな入学する前から何となく自分の実力が分かっています。
入学前にコンクールに出場したり、個人レッスンを受けたりする中で、自分のレベルがどの程度のものか理解しています。
音楽で食べていくには、教師になるかオーケストラの団員になるか。
プロになる道のりの険しさも十分に分かっています。
それでも、音楽大学に進むのは、単純に音楽が好きだから、音楽以外に打ち込めるものがないからで、それ以上でも以下でもありません。
音楽に打ち込める4年間ないし6年間があれば、卒業後に音楽以外の仕事に就いても納得がいくと思って進学しました。
毎日毎日練習に明け暮れ、自分の音を追求しました。
でも、結果、プロになる夢には届きませんでした。
だから、就職活動は一般企業を回りました。
面接で必ず聞かれるのは、なぜ音楽の道ではなく一般企業を選んだのですか?という質問です。
私は、正直に答えました。
自分の限界を知りました。
それでも好きなことに打ち込めた4年間に悔いはありません。
そこからはじまり、自分のどんな点が御社に生かせるのか精一杯アピールしました。
中には、入社してから壁にぶち当たったら、音楽と同じように諦めるのかという意地悪な質問がありましたが、回数を重ねていくごとに自分がやりたいことは何か、そして、どんな質問にも自分の言葉で答えられるようになりました。
結局、会社は、知識や経験ではなく、その人のコミュニケーション力や、プレゼンテーション力を見ています。
音楽と真剣に向き合う中で培った感受性と勤勉さ、そして、表現力は、どの業界でも通用します。
一般企業への就職率が悪いのは、音楽への夢を捨てきれないか、変なプライドが邪魔しているだけだと思います。
やるだけやって、ダメなら次へ行くという切り替えボタンが必要です。
プロになれなくても、音楽は続けていくことができます。
音楽が好き、好きなことが1つ見つかっただけでも幸せです。
幸せに気づけば、卒業後の進路は必ず開けます。